お得意様

いつも大きなお取引をいただく優良顧客、いわゆる『お得意様』がいらっしゃいます。

一般的には、今まで上司がお付き合いいただいていたお得意様を、後任として引き継ぐことが多いと思います。
お得意様からはいつも二つ返事でご注文をいただけるので、だんだんそれが当たり前のようになり、時におざなりな対応にもなりがちです。ある時、いきなりしっぺ返しをくらうこともあります。

あなた:えっ!?、今回どうしてB社に発注されたのですか?この商品はいつも私共にご注文いただいていると思うのですが・・・。

お客様:あ、申し訳ない。実はB社の担当者から『今回、頑張ります!』って言われてさぁ、また提示された特別条件も良かったもんでさ・・・。今回だけB社に注文させてよ。次回はまた御社にお世話になるからさ。

あなた:・・・・。はぁ・・・・。(上司にどう報告しよう・・・)

失注報告をした時の、上司の顔色を想像しただけでもゾッとしますね。
そしてそれは、単に失注したことに対してだけではないこともご理解いただけると思います。

お得意様というのは、時間をかけて大切に育んできた信頼関係の一つの形です。
上司はあなたに見えない所で真摯にお付き合いを重ね、信頼を獲得し、そして今、お得意様としてお付き合いいただいているだけなのです。

私は営業職に就いて2年目に、ある取引先の引継ぎで上司に同行しました。
その際に相手から面と向かって言われた言葉を今でも忘れません。

“おれさぁ、あんたと付き合う訳じゃないから。あんたの上司の〇〇がいるから付き合ってるだけだから”

その瞬間はビックリしましたが、今思うと、大変ありがたいコメントでした。
“上司とお得意様との関係に甘えていてはヤバい!注文ももらえないかも!”と焦り、とにかく必死に営業し、数年後にようやく上司も驚く売上をいただいた記憶があります。

「“当たり前”などというものなど無い」くらいの、常に新鮮な気持ちで真摯に仕事に取り組む大切さも、私はお客様から教えていただきました。皆さんもそんなお客様にお会いできると良いですね!

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