仕事柄、書店に出向いて本をチェックする機会が多いです。
パッと目に飛び込んでくるデザインやキャッチコピーなど、装丁(カバーのデザインなど)を眺め、流行りのキーワードを大まかに把握し、自分の認識と照らし合わせます。
特に、直接自分の仕事とは全く関係ない分野の書籍もできるだけチェックするようにしています。実は、そういう本の中にこそ商談につながる貴重な情報がジーっと私を待っていてくれたりするんです。まさに、私にとっての “宝島” です。
今回、最近話題の書籍を1冊購入してみました。
「ワークマン式エクセル」日経BP社刊 11月28日発売
Amazonで「文書作成ソフト」カテゴリのベストセラー1位になっています。(12月13日現在)
この手の本は読者にとってほぼ消化不良で終わるケースが多いのですが、レビューを見て “やっぱり・・・(苦笑)と思いました。購入された方の期待のベクトルが書籍のベクトルと合ってないだろうと思っていたのですが、まさにその通りでした。
Excelの操作を覚えるのなら他にもっと良い本がありそうですし、本書で紹介されているExcelの操作ができるようになったからといってワークマンのような会社を作れるわけでもないからです。よく考えれば、そんな重要な情報を社外に向けて気前よく公開することはあり得ませんもんね。
この本では『ワークマンツール』と呼ばれる、数多くの関数を組み合わせたシートが7つほど紹介されています。ここで注目すべきポイントは、紹介されているシートに使われているExcelの機能ではなく、「なぜワークマンではそのシートが必要なのか?」という点を推測することです。そのためには、戦略や戦術に必要な各種実務や数字の意味を知っていることが前提になります。営業部門の課長クラスは持っていて当然の知識かもしれません。
「その実務をExcelで行うなら、こう使え」というポイントとあわせてそのあたりが参考にできれば、この本の役割は終わると思います。
税別1,800円の本書。高いと思うか安いと思うかは、あなた次第です。